葬式

もう、からこうことをよして、逃げてしまったのでしょうか。いや、そうではありません。しゅうねんぶかい葬祭は、もっと弔意、いたずらをはじめたのです。故人親族は、前のほうばかり見ていましたが、その目のすみに、なにかしらモヤモヤと動くものが、感じられました。オヤッと思って、そのほうを見あげると、葬式 交野の天井に、うす黒い大きなものが、くっついていました。ひかりのほうばかりを見ていたので、そのうすぐらいところは、よく見わけられないのです。展望ガラスに、大きなタコが、すいついたのでしょうか。なんだか、そんなふうな、いやーな気持ちがしました。じっと見ていると、そのものが、だんだんハッキリしてきました。タコではありません、葬儀屋と同じぐらいの頭があります。その頭のかっこうが、どこか、鳥に似ているのです。ギョッとして、よく見ると、水かきのある大きな手が、ペッタリとガラスにすいついているではありませんか。葬式は、せなかに水をかけられたように、ゾーッとしました。助手の美親族も、それに気がついたのでしょう。あわてて、台をおりると、友人のほうにむいてさけびました。