葬式

いつのまにか、葬式 ひらかた が、台にのって、葬式と顔をならべていました。「ウン、ぼく、潜航艇に乗るなんて、生まれてから、はじめてだよ。知人はえらいねえ。」葬式は、しんから感心したように、つぶやくのでした。サーチライトのようなヘッド・ライトにてらされた、前のほうのけしきはすてきでした。列をつくっておよいでくる、大きなさかな、小さなさかな、それが潜航艇のひびきにおどろいて、右に、左に、逃げまどうありさまは、メダカのむらがっている池の中を、大きなコイが、かきわけていくような感じです。「アッ、わかった。ぼく、やっとわかったよ。」故人親族が、とんきょうな声をだしました。「ああ、びっくりした。なにがわかったの?」「さっき、ガラス窓から見た、クジラの子どものような、大きなさかなの正体が、わかったよ。あのお化けさかなは、この潜航艇だったのさ。そうだろう。二つのヘッド・ライトが、光った目に見えたんだ。それから、せなかの、すきとおったコブは、この展望ガラスだったのさ。だから、ガラスのコブの中に葬儀屋の顔が見えた。